眠りを知れば人生危うからず

自分のいびきを正しく知ろう

内村直尚・久留米大学教授
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 睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が広く一般の人に知られるようになりました。そのせいか、「睡眠中に激しくいびきをかいていた」と言われ、不安に思って受診する人が増えているように思います。睡眠中の無呼吸や低呼吸が1時間に5回以上あるいは一晩(7時間以上の睡眠中)に30回以上生じ、昼間の眠気や倦怠(けんたい)感があれば、SASと診断され、その場合、ほぼ確実にいびきの症状があります。とはいえ、いびきをかくからSASである、とは言えません。「SASではない」と診断されている人でもいびきをかくという調査結果もあります。そこで今回は、SASに「関係があるいびき」と「関係がないいびき」の違いを説明します。

人はなぜいびきをかくのか?

 いびきは漢字で「鼾」と書きます。鼻と干という字の組み合わせです。鼻はわかりますが、なぜ「干」なのでしょうか? 

 これは「大きな音」を意味する「干声(かんせい)」が基になっているからと言われています。つまり、漢字の「鼾」は「鼻から出る大きな音」という表意文字です。

 ちなみに、いびきという言葉そのものの語源は諸説ありますが、そのなかでも「息響き(いひびき)」…

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内村直尚

久留米大学教授

うちむら・なおひさ 1982年、久留米大学卒業。86年に久留米大学大学院医学研究科修了(医学博士)後、87年5月~89年4月に米国Oregon Health Science Universityへ留学。帰国後、久留米大医学部神経精神医学講座の助手、講師、助教授を経て、2007年4月から同講座教授に就任した。11年4月~13年3月、久留米大学病院副病院長。12年4月から久留米大学高次脳疾患研究所長、13年4月から同大医学部長を務め、16年10月からは同大副学長も兼務する。国内トップレベルの睡眠医療チームを率いる睡眠研究の第一人者。著書(分担執筆)に「睡眠学」(朝倉書店)、「プライマリ・ケア医のための睡眠障害」(南山堂)など。