
…
…
「うちの主人が、毎日、毎日、仕事に行く格好して、出かけるんです。ボケてしまったんでしょうか?」
こんな第一声から始まった相談を受けたケアマネジャーは、すぐに電話の主の女性を訪問しました。スーツを着て出迎えてくれたのは女性の夫、Kさん(80歳)。開口一番「おたくはどちらから来られましたか?」と質問されました。「M町から来ました」と答えました。そこからあれこれ会話をしていると、5分おきに「ところで、おたくはどちらから来られましたか?」という質問が繰り返されたため、短期記憶障害があることは明らかでした。
この記事は有料記事です。
残り1782文字(全文2035文字)
投稿にはログインが必要です。
認知症ケアアドバイザー
ペ・ホス(裵鎬洙) 1973年生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、訪問入浴サービスを手がける民間会社に入社。その後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問介護、介護老人保健施設などで相談業務に従事。コミュニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、かかわる人の内面の「あり方」が、“人”や“場”に与える影響の大きさを実感。それらの経験を元に現在、「認知症ケアアドバイザー」「メンタルコーチ」「研修講師」として、介護に携わるさまざまな立場の人に、知識や技術だけでなく「あり方」の大切さの発見を促す研修やコーチングセッションを提供している。著書に「理由を探る認知症ケア 関わり方が180度変わる本」。介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員。ミカタプラス代表。→→→個別の相談をご希望の方はこちら。
注目コンテンツ