「パチンコ」が原因で解雇

和田明美・毎日新聞デジタル編集グループ
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演劇サークルで舞台の設置を進める大学時代の三宅隆之さん。すでにパチンコ依存症になっていたとみられる=大学構内で1997年8月、三宅さん提供
演劇サークルで舞台の設置を進める大学時代の三宅隆之さん。すでにパチンコ依存症になっていたとみられる=大学構内で1997年8月、三宅さん提供

 ギャンブル依存症の回復支援に取り組む「ワンネスグループ」共同代表の三宅隆之さん(45)は、自身もかつては重いギャンブル依存症だった。自ら依存症と認識するまでに13年もかかったという。

 きっかけの一つは、大学受験だった。1浪して東京と京都の私立大学を受験したものの不合格。母に勧められて受けた東北地方にある国立大学に入学した。入学手続きをするために、父と一緒に降り立った大学の最寄り駅は、粉雪が舞う中に、定食屋がぽつんと1軒だけある寂しげなところ。父も「こんな田舎でいいのか。隆之がかわいそうだ」と言った。しかし母は、弟や妹の進学も控えており、「行けば、なんとかなるわよ」と入学手続きをさせた。

 三宅さんは、中学の時から母に指示されて勉強していたという。「県内一の進学高から名のある大学に行けば、名のある会社に就職できる」。母はこう言い、その通りに県内一の進学高に入った。しかし、大学入学で母の期待に応えられず、「人生に負けたと思った」と振り返る。

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和田明美

毎日新聞デジタル編集グループ

わだ・あけみ 1992年、毎日新聞入社。東京社会部、静岡、横浜支局、デジタルメディア局、東京・大阪編集制作センターなどを経て現職。依存症などこころの病や、向精神薬など薬の副作用など医療分野をおもに執筆。著書に「やったら、やめられない… 薬物依存をのり越えて」。