医療プレミア特集

「守られないし漏れもある」市販薬の販売規制

高木昭午・毎日新聞医療プレミア編集部
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買い物客でにぎわうドラッグストア
買い物客でにぎわうドラッグストア

 「一般用医薬品の使用により依存が起こりうる」ことをご理解いただきたい--。厚生労働省は今年8月6日、毎月出している「医薬品・医療機器等安全性情報」でこう呼びかけました。背景には、依存や乱用の対象薬物が以前の「危険・違法ドラッグ」から、合法的な市販薬などに移ってきている状況があるそうです。一方で市販薬の販売規制はうまくいっておらず、同省は「一般の人にも関係のある問題として取り上げた」と話します。

 安全性情報は、厚労省の研究班(班長=松本俊彦・国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長)による、市販薬依存についての調査結果を紹介しています。研究班は1987年からほぼ2年ごとに、全国の精神科病院で治療を受けた薬物関連障害患者を調査してきました。この調査には前回の記事でも触れましたが、あらためて紹介します。

 最新の2018年の調査では、乱用された「主たる薬物」のうち、市販薬が5.9%を占め、16年調査の5.2%からやや増えていました(最多は覚醒剤で56%でした)。シンナーなど揮発性溶剤が16年の8.5%から18年は6.0%に減り、危険ドラッグも4.5%から2.8%に減る中で、市販薬の増加傾向が目立ちました。

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高木昭午

毎日新聞医療プレミア編集部

たかぎ・しょうご 1966年生まれ。88年毎日新聞社入社。94年から東京、大阪両本社科学環境部、東京本社社会部などで医療や原発などを取材。つくば支局長、柏崎通信部などを経て、17年に東京本社特別報道グループ、18年4月から医療プレミア編集部記者。