実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

HIV感染の心配に「海外では」安く使える予防薬

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
  • 文字
  • 印刷
「世界エイズデー」にちなんだ街頭キャンペーン=2013年12月2日、三重県熊野市で
「世界エイズデー」にちなんだ街頭キャンペーン=2013年12月2日、三重県熊野市で

エイズという病を知っていますか?(20)

 HIV(エイズウイルス)陽性のパートナーがいる人や、事故でウイルスが体内に入った心配がある人などが、薬でHIV感染の暴露前予防(PrEP)及び暴露後予防(PEP)をするのは、世界的には常識です。PrEPもPEPも有効性・安全性を支持する高いエビデンスがあり、全世界で普及しているのにもかかわらず、日本人の間ではまだあまり知られておらず、実践している人はごくわずかです。その最大の理由は高すぎる費用です。今回は海外ではなぜこれらの予防が安くできるかについて解説し、さらに日本人が安く実践できる方法を提案したいと思います。

 まずは、実際に私が診察した患者さんの例を紹介しましょう。(本人が特定されないように若干のアレンジを…

この記事は有料記事です。

残り3454文字(全文3784文字)

谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト