どうする健康格差社会

被災者の健康被害 社会的つながりで緩和を

近藤克則・千葉大学予防医学センター教授
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台風19号の大雨による千曲川の堤防決壊現場近く。浸水被害があった建物の1階をビニールで囲い、昼食を取る渡辺美佐さん(左)ら。「今年のリンゴは美味しくできたんだけどね」と話しながら囲むテーブルの上にもリンゴがあった=長野市で2019年11月13日、竹内紀臣撮影
台風19号の大雨による千曲川の堤防決壊現場近く。浸水被害があった建物の1階をビニールで囲い、昼食を取る渡辺美佐さん(左)ら。「今年のリンゴは美味しくできたんだけどね」と話しながら囲むテーブルの上にもリンゴがあった=長野市で2019年11月13日、竹内紀臣撮影

 堤防が決壊し、屋根まで水没した住宅地。泥にまみれた住まいを前に、暗い表情で途方に暮れる人々。被害の大きさに胸が痛む。国も台風19号による被害の大きさをみて激甚災害に指定し、被害者のニーズを把握し対応するという。一方で被害者すら気づいておらず、口にされないニーズもある。例えば、長期的な健康被害を減らす支援である。

 災害による健康被害を明らかにして対応策を探る。それが災害疫学だ。私たちは東日本大震災で被災した宮城…

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近藤克則

千葉大学予防医学センター教授

1983年千葉大学医学部卒業。東大医学部付属病院リハビリテーション部医員、船橋二和(ふたわ)病院リハビリテーション科科長などを経て日本福祉大学教授を務め、2014年4月から千葉大学予防医学センター教授。2016年4月から国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長。「健康格差社会ー何が心と健康を蝕むのか」(医学書院2005)で社会政策学会賞(奨励賞)を受賞。健康格差研究の国内第一人者。