超高齢化時代を生きるヒント

「社会で介護」は実現したか? 30年遅れの「恐怖の大王」

小野沢滋・みその生活支援クリニック院長
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 「1999年7の月、恐怖の大王が来るだろう」――世紀末の世間を賑わせた「ノストラダムスの大予言」をご記憶の方も多いでしょう。医療・福祉の世界で99年といえば、介護保険制度の施行を翌年に控えた年でした。当時、私は勤めていた医療法人鉄蕉会、亀田総合病院(千葉県鴨川市)で、介護保険のプロジェクトを任されてさまざまな改革に取り組んでいる最中でした。おそらく、多くの病院や社会福祉法人、そして株式会社などが同じように、来る介護保険制度に向けて期待を持って準備をしていたと思います。亀田総合病院で行っていた2級ヘルパー講座は、当時、定員20人に対して200人以上の応募がある状況でした。

 当時のスローガンは「家族による介護から社会で介護する時代へ」でした。多くの人がホームヘルパーという…

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小野沢滋

みその生活支援クリニック院長

おのざわ・しげる 1963年相模原市生まれ。90年東京慈恵会医科大学医学部卒業。在宅医療をライフワークにしようと、同年から亀田総合病院(千葉県鴨川市)に在籍し、99年同病院の地域医療支援部長に就任。22年間、同病院で在宅医療を中心に緩和医療や高齢者医療に携わってきた。2012年に北里大学病院患者支援センター部副部長を経て、13年に同トータルサポートセンター長に就任。同病院の入院患者に対して、退院から在宅医療へスムーズに移行できるよう支援してきた。16年相模原市内で在宅医療専門の「みその生活支援クリニック」を開設。亀田総合病院在宅医療部顧問。日本在宅医学会認定専門医。プライマリケア連合学会認定医、日本緩和医療学会暫定指導医。日本在宅医学会前理事。日本医療社会福祉協会理事。一般法人社団エンドライフケア協会理事。相模原町田医療介護圏インフラ整備コンソーシアム代表。