ボストン発 ウェルエイジング実践術

「スマホに子守」 子供の脳への影響は?

大西睦子・内科医
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 スマホやパソコン、インターネット、ビデオゲームやテレビ。こうしたデジタルメディアは、子どもの発育にどんな影響を及ぼすのでしょうか。これらは快適で便利な生活をもたらしますが、一方で人類が未経験のさまざまなリスクが懸念されています。米国では議論が活発で、教育者も「子どもたちは早くテクノロジーを使い始める方がいい。学ぶ喜びを感じ、進学や就職のより良い準備になる」という推進派と、「子どもたちはテクノロジーの利用を急ぐ必要はない。それよりまず実世界に触れる必要がある」という慎重派に分かれます。こうした中で、米国「シンシナティ小児病院医療センター」の研究者らは、デジタルメディアの脳の発達への影響を調査し、2019年11月4日付の米医学誌「JAMA小児科学」に報告しました。今回は、この論文と、米国小児科学会による、子どものデジタルメディア使用のガイドラインを参考にして、発育とテクノロジーのお話をします。

 「うちの子どもたちはまだiPadを使ったことがない」「自宅では子どもにテクノロジーの使用を制限している」。アップルを創業した故スティーブ・ジョブズ氏がこう話したという記事が、14年のニューヨークタイムズ紙に載りました。記事の筆者は「あなたの子どもたちはiPadが大好きでしょう?」と問いかけ、こう答えられてびっくりしたそうです。実は、他にもマイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏をはじめ、たくさんの米ベンチャーキャピタリスト(投資家)やテクノロジー企業の最高経営責任者(CEO)は「自分の子どもには電子機器の使用を厳しく制限している」といいます。

 米国小児科学会は16年に「インターネット、スマートフォン、ビデオゲームやテレビなどデジタルメディアの使用を、子どもたちの年齢に応じて制限すべきだ」というガイドラインを発表しました。この内容を、年齢別に紹介します。

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大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。