
そろそろ楽しい忘年会シーズンですね。今回は「忘年会を楽しく終えるには」についてお話をしたいと思います。というのも、私自身、新人だったころに「飲みにケーション」に苦労したことがあったからです。令和時代の忘年会や飲みにケーションについて考えてみたいと思います。
飲まないと話が進まない?
2001年の夏、私は初期研修医をしていました。その当時はローテーション(さまざまな診療科で次々と研修する制度)で、ある忙しい診療科におり、先輩たちが出勤しての回診は朝の7時からでした。初期研修医はその前、朝の5時半から仕事をしていました。担当している50人の患者さんに、点滴や薬の処方を済ませておくのです。
その後、回診や処置の業務を終えると、仕事が終わるのはだいたい午後9~10時ごろでした。終われば自分の家でご飯を食べたり休んだりしたいところです。ただ、実際は先輩の先生方が気をきかせてほぼ毎日「飲みにケーション」に誘ってくれました。一生懸命断ろうとしていたのですが、たいていは参加しないといけないように思われました。お酒を飲んで食事をして帰ると、やはり午前0時半くらいになりました。あと4時間半しか眠…
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国際医療福祉大医学部救急医学主任教授(同大成田病院救急科部長)
しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授、21年4月から主任教授(同大成田病院救急科部長)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。