いきいき女性の健康ノート

女性のホルモン補充療法 メリット、デメリットは?

福島安紀・医療ライター
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 更年期に急激に乱降下するエストロゲン(卵胞ホルモン)を少量補う女性ホルモン補充療法(HRT)。欧米では更年期障害の治療の柱だが、日本ではなじみが薄い。古いデータだが、WHO(世界保健機関)のプロジェクトが20カ国でのHRTの普及率(89~97年)を調べたところ、欧米では3-4割に上る国もあるのに対し、日本は45~64歳の1.5%程度。2002年にはHRTを受けた女性で乳がんを発症するリスクが増すという米国の臨床試験結果が日本でも大きく報道され、普及率に大きな変化はないと見られている。だが、がんのリスクについては、その後もHRTの実施状況やがんの種類などで異なるさまざまな報告が出ている。一概に危険な治療なのかどうか、更年期症状の重さや他の病気のリスクとも合わせて考えることは、女性が長い人生を送るうえで重要になっている。更年期外来を開設し、『40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本』(永岡書店)などの著書もある吉野一枝よしの女性診療所院長に、HRTのメリット、デメリットを聞いた。

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。