“子ども食堂”の時代―親と子のSOS―

シングルマザーの過酷な労働と子どもの健康

可知悠子・北里大学講師
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 日本は労働市場での男女の賃金格差が大きいため、女性が働いて一人で生計を立てるには、依然として不利や困難が多いのが現状です。特に困難が多いのは、子育ても担っているシングルマザーです。8割は働いているにもかかわらず、うち半数が非正規雇用のため、貧困率は50.8%(2015年)に上ります。収入を増やすために、長時間労働や非典型時間帯労働(早朝や夜間、深夜の労働)をする母親も少なくありません。子どもの生活や健康に影響はないのでしょうか?

 今回は、こうしたシングルマザーの過重労働と子どもの健康への影響についてエビデンス(科学的根拠)を紹介した上で、具体的な対策を提案します(ひとり親の貧困問題としてシングルファーザーの問題も取り扱うべきですが、データが少ないため、今回はシングルマザーに焦点を当てています )。

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可知悠子

北里大学講師

かち・ゆうこ 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。2006年から10年間、臨床心理士として子どもや女性のカウンセリングにあたる。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座助教、日本医科大学衛生学公衆衛生学教室助教を経て、18年4月から北里大学医学部公衆衛生学単位講師。東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学教室客員研究員、国立成育医療研究センター社会医学研究部共同研究員、首都大学東京客員准教授。共著に「子どもの貧困と食格差~お腹いっぱい食べさせたい」(大月書店)。自身も3歳児の子育て中。労働者とその子どもの健康の社会格差をテーマに研究を行っている。