無難に生きる方法論

追悼・中村哲先生 医療より大切なこと

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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在りし日の中村哲さん=アフガニスタン・カブールで2008年8月、栗田慎一撮影
在りし日の中村哲さん=アフガニスタン・カブールで2008年8月、栗田慎一撮影

 アフガニスタンで住民の支援活動をしていた中村哲先生が今月4日、凶弾に倒れ、お亡くなりになりました。アフガニスタンの人だけでなく日本人にとっても衝撃的な事件でした。特に同じ医師として仕事をしている私にとっては大変悲しい出来事でした。中村先生のアフガニスタンでの功績は皆さんの知るところだと思います。

 私は、中村先生がなぜアフガニスタンで人道支援を始められたのか非常に興味がありました。一般的に海外などに派遣される医師は外科系や内科系の先生が多いように思えます。海外では、けがや感染症などの治療が主でどちらかというと外科系の先生の方が重宝がられるようです。中村先生はてっきり外科系の医師だと思っていました。

 しかし、意外にも中村先生は大学を卒業してすぐに精神科医としての修業を始められました。その後、登山の好きな中村先生は仲間からアフガニスタンの医療支援を頼まれたようです。昆虫好きであったという中村先生は喜んで行かれました。最初はハンセン病などの感染症の治療にあたられましたが、干ばつでたくさんの人が病気で亡くなったのを見て、感染症に抗生物質を処方するより、水の管理をしっかりした方が良いと思い、かんがい…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。