実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

ポリオのワクチン「成人でも」打つべき人は?

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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政府や国会に、ポリオワクチンの輸入を訴えた母親たち=1961年5月14日撮影
政府や国会に、ポリオワクチンの輸入を訴えた母親たち=1961年5月14日撮影

 今日は大みそかです。今年(2019年)もまた、日本で、そして世界で、さまざまな感染症が流行しました。その中で、日本ではほとんど話題になりませんでしたが、世界的にみると注目された感染症の一つは「ポリオ」です。19年9月24日には「フィリピンでポリオがアウトブレイク(Polio outbreakーThe Philippines)」という記事が、WHO(世界保健機関)のウェブサイトに公開されました。

 「アウトブレイク」は通常「大流行」を意味しますから、これはただごとではありません。後で説明するように、外務省は日本人の海外渡航者に、ポリオワクチンの追加接種を検討するよう勧めています。渡航先はフィリピンのみならず、中国、インドネシア、ミャンマーなども含まれています。一方、WHOは19年10月24日に「野生型ポリオウイルス3型」の根絶を宣言しました(「野生型」「3型」の意味は後述します)。フィリピ…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト