ER Dr.の救急よもやま話

救急医が教える「風邪をひかない、うつさない心得」

志賀隆・国際医療福祉大准教授/同大病院救急医療部長
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空手の寒げいこをする子どもたち
空手の寒げいこをする子どもたち

 「明日は大事な会議でプレゼンがある。この1カ月、ずっと準備してきた。何としても成功させたい」。田中さんは社員食堂で夜食を食べて一息つき、プレゼンに使う資料の続きを準備しようとしていた。「なんだ、このだるさと寒気は? まさか!」。体温を測ると37.8度だった。「これくらいは微熱だ! 栄養ドリンクと、この前、タレントの人が宣伝していた風邪薬を飲んで備えよう!」。田中さんのような状況に陥ることは日本の会社員ではよくあることでしょう。ということで今回は風邪の予防法をテーマにしたいと思います。

 予防法の前にまず、風邪のような症状が出たときに、どうすべきかをお話しします。風邪はたいてい自然に治りますから、自宅療養で十分なことが多いのです。ただし、一見、風邪だと思ったけれど実は別の病気だった、ということもあります。特に以下のような症状が出たら、風邪ではすまないかもしれません。病院へ急ぐべきで、救急車での受診も検討していただく必要があります。

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志賀隆

国際医療福祉大准教授/同大病院救急医療部長

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て19年9月から国際医療福祉大学病院救急医療部長(同大医学部救急医学講座准教授)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。