無難に生きる方法論

「男の料理」は認知症に効く

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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 このコラムで何度も紹介していますが、熟年期の妻の体調不良の原因に、夫の上から目線、支配的な言動があります。これを私は「夫源病」として発表しました。多くの女性からは支持されましたが、男性の評判は非常に悪かったようです。昨年12月にNHKの「あさイチ」で約60%の妻が卒婚を希望しているという衝撃的なデータが紹介されました。また卒婚を希望する時期は60歳から69歳までがやはり約60%でした。つまり多くの妻が定年をきっかけに夫と距離を置いて、お互いに自立した生活をしたいと望んでいます。

 夫の定年で妻が一番困ることは昼食を用意することです。現役の時は朝ごはんを食べてすぐに出社し、夕方もしくは夜おそくまで帰宅せずに夕食をとって、帰ったら寝るだけの生活です。平日に昼食を用意することなどほとんどなかったのですが、定年後は朝食後も居間に居座り、「お茶」や「コーヒー」と呼びつけ、11時ぐらいになると「昼ごはんはなんだ?」とプレッシャーをかけます。このような生活が続くと妻が自由に外出できなく…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。