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人類は進化して「心配性」になった 

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 人類は進化の歴史の初期段階(今から約10万年前まで)に、不安やうつ傾向が強まるように遺伝子を進化させた、とする研究結果が発表された。このような進化によって、外部環境の変化に敏感に反応して慎重に対処できた可能性があるという。東北大学大学院生命科学研究科生態発生適応科学の佐藤大気氏、河田雅圭氏らが、「VMAT1」という神経伝達物質に関わる遺伝子の変異を調べた結果で、詳細は「BMC Evolutionary Biology」12月2日オンライン版に掲載された。

 VMAT1は、脳内で情報のやりとりに使われている「神経伝達物質」を輸送するたんぱく質の1つ。VMAT1には、その遺伝子配列がわずかに変化した「変異体」があり、この変異しだいで神経伝達物質を取り込む能力が変わり、認知や情動も変化する。

 例えば、現代人のうち、VMAT1の136番目のアミノ酸が「スレオニン」(Thr)型の人は、「イソロイシン」(Ile)型の人に比べて、うつや不安の傾向が強いことが報告されている。人類は、その時々の環境に適した変異体を持つ個体がより多く生き残るという自然選択を受け、進化してきたと考えられる。

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