あなたのおくすり手帳

使わなくなった薬 その捨て方は?

高垣育・薬剤師ライター
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服用せずに自宅に残された大量の薬(画像の一部を加工しています)
服用せずに自宅に残された大量の薬(画像の一部を加工しています)

 「先日、母が亡くなりました。飲み残した薬があるんですが薬局で引き取ってもらえますか?」

 薬局で働いていると時々こうした問い合わせがあります。持参してもらった薬を見てみると錠剤、カプセル剤、液体の経腸栄養剤や、使いかけの軟膏(なんこう)や湿布などの外用剤など、さまざまな種類の薬が残されていました。量も多く、家庭でどのように廃棄したらよいのか困って薬局に相談してくれたようです。近年、在宅医療が進んでおり、自宅でおみとりするケースが増えつつあります。もし自宅で大切な人をみとった場合、飲み残した薬はどのように整理すればよいのでしょうか。

 厚生労働省の人口動態調査によると、2018年の1年間に死亡した人は136万人あまり。このうち、自宅で死亡した人は18万6000人あまりで約13.7%を占めました。また老人ホームで亡くなった人は10万9000人を超え、約8%を占めました。

 みとりの場所の推移をみると、第二次大戦後まもなくは自宅でみとる場合が全体の8割を超えていましたが、病院や診療所などの施設でみとりをする割合が増加して、1977年には、自宅など施設以外での死亡を上回るようになりました。その後も医療機関でのみとりの割合は増え続けましたが、05年ごろを境に、医療機関以外の自宅や老人ホームなどでのみとりが増えつつあります。

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高垣育

薬剤師ライター

たかがき・いく 1978年福岡県生まれ。2001年薬剤師免許を取得。調剤薬局、医療専門広告代理店などの勤務を経て、12年にフリーランスライターとして独立。毎週100人ほどの患者と対話する薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。15年に愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書「犬の介護に役立つ本」(山と渓谷社)を出版。人だけではなく動物の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行い、さまざまな媒体に寄稿している。17年には国際中医専門員(国際中医師)の認定を受け、漢方への造詣も深い。