1日5回行う導尿。昼間に加え、夜中の導尿も日課の一つだ=自宅の寝室で ※写真の一部を加工しています
1日5回行う導尿。昼間に加え、夜中の導尿も日課の一つだ=自宅の寝室で ※写真の一部を加工しています

<連載2回目までのあらすじ> 新潟市で2017年10月、私たち柳沢亮(29)、茜(27)夫婦に息子・健(たける、2)が生まれた。出生時に神経障害である二分脊椎症が判明。18年3月、夫の転勤のため東京都墨田区に引っ越しし、その年の9月に二分脊椎症の合併症である「ぼうこう障害」がわかった。息子が保育園にいる間にも「導尿」という医療的ケアが必要になり、夫婦は働きながら日中に保育園に通う日々が続いている。夫婦共働きであることから、勤務時間の制約が大きかったため、保育園側で導尿をしてくれるよう、墨田区と園に要望することにした。

 「基本的に医療的ケア児は受け入れていないのが現状です」。私たち夫婦の話を聞き終えた東京・墨田区の担当者は淡々と告げた。私たちは2019年7月、お互いの仕事の制約となっていた昼間の導尿を、通っている私立保育園側に代わってもらえないかを相談するため、墨田区役所に出向いていた。

 窓口である子ども施設課で現状を説明し、「医療的ケアをする看護師をお願いすることはできませんか」などと話した。担当者は「つらいですね」と同情してくれ、話し合いは2時間に及んだ。しかし、「医療的ケアはできない」という区側のスタンスは変わらなかった。「障害がある子どもがいたら、働くことを望むのはわがままなのかな」と感じた。

 ただ、この回答は想定し…

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柳沢茜

毎日新聞東京本社技術センター

毎日新聞東京本社制作技術局技術センター所属。1992年、青森市生まれ。2015年入社後、ITエンジニアとしてメディア業務に携わる。大学では漕艇競技にのめりこみ、留年した。特技はりんごの品種を食べ分けること。好きなことは日曜の夕方、「サザエさん」を見ながら家族で囲む夕食。

柳沢亮

毎日新聞オリンピック・パラリンピック室員。1990年埼玉県生まれ。2013年入社後、新潟支局、東京経済部を経て19年5月から現職。高校時代は野球部に所属し、本塁打数は通算1本(非公式)。草野球の試合にいつ呼ばれてもいいように定期的にグラブを磨いているが、いまだ出番はない。最近の楽しみは、相思相愛の長男と近所の児童館で遊ぶこと。

柳沢亮

毎日新聞社オリンピック・パラリンピック室

毎日新聞社オリンピック・パラリンピック室員。1990年、埼玉県熊谷市生まれ。2013年入社後、新潟支局、東京経済部を経て19年5月から現職。高校時代は野球部に所属。最近、久々に草野球界に復帰した。休日の楽しみは、相思相愛の息子と児童館で遊ぶこと。