現代フランス健康事情

新型コロナウイルスで強まるアジア系への風当たり

竹内真里・パリ在住ライター
  • 文字
  • 印刷
新型コロナウイルスによる肺炎の発生が明らかになる数日前のバスティーユ広場=筆者撮影
新型コロナウイルスによる肺炎の発生が明らかになる数日前のバスティーユ広場=筆者撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。フランスでも1月24日夜、欧州で初の感染者が確認された。30日夜の時点で感染者は6人。うち4人は中国人観光客、1人は仕事で中国を往来した中国系フランス人だった。また、ある患者を診察した、中国渡航歴のない医師の感染も判明し、ヒトからヒトへの感染が確認された。在住中国人が多く、中国人観光客の人気も高い国だけに、未知のウイルスへの不安がさまざまな事態を引き起こしている。

 アニエス・ビュザン連帯保健大臣は29日夜の記者会見で、武漢に滞在中で帰国を希望するフランス人約200人は31日、医師、看護師、臨床心理士が同乗した専用機で帰国し、14日間施設で隔離されると発表した。すでに中国路線を減便していたエールフランス航空は1月30日、2月9日まで同路線の運休を明らかにしている。

 SNS上では「中国人(アジア人)の受け入れを拒否し、強制送還しろ」といった非難から、「フランスの医療技術は優れている。パスツール研究所もあるし、必要なケアは受けられる。過度にパニックになる必要はない」といった冷静なものまでさまざまな言葉が飛び交っている。

 国民の不安が増すなか、仏連帯保健省は感染が疑われる場合に次のような行動を取るよう推奨している。

 中国への渡航歴があり、感染が疑われる発熱やせきなど激しい症状が出たら、かかりつけ医や救急病院に直接行くことを避ける。感染拡大を避ける…

この記事は有料記事です。

残り1681文字(全文2281文字)

竹内真里

パリ在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はパリ市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。