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自覚症状なく不妊の原因にも クラミジア感染症

福島安紀・医療ライター
 
 

 梅毒の急増が注目されているが、性感染症で患者数が最も多いのは「クラミジア感染症」だ。放置すれば不妊症の原因にもなることから若い女性の感染が多いことが問題になっている。全国の約980件の医療機関を対象とした国立感染症研究所の定点報告では、2002年の4万3766件をピークに減っていたが、ここ10年は2万5000件前後で推移している。不妊症や卵管炎などを招くことがあるが、自覚症状がない場合も多く、01~04年に実施された厚生労働省の研究班の調査では、性体験のある高校生の8人に1人(13.1%)、大学生・専門学校生の11人に1人(9.1%)が無症状の性器クラミジア感染症になっていたとの報告もある。どのような病気なのか。日本性感染症学会理事で日本大学医学部産婦人科学分野主任教授の川名敬さんに聞いた。

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医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。