ボストン発 ウェルエイジング実践術

最新研究で分かった「老化のタイプは4種類」

大西睦子・内科医
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バーガーセットを味わう高齢者
バーガーセットを味わう高齢者

 以前、「老化の個人差を調べた研究」と、「素質が同じでも、生活ぶりで肉体的な衰えに差が出ることを示した研究」をご紹介しました。ただし、肉体的な衰えといっても、「心臓が衰える」「心臓に問題はないが免疫力が衰える」「どちらも衰える」……というように、衰え方は人それぞれ違います。このほど、米スタンフォード大学医学部遺伝学科、マイケル・スナイダー教授らのチームは、老いとともに変化する分子を広範囲にわたって調べ、老いには四つのタイプがあることを発見しました。まるで血液型みたいですね。この結果は、2020年1月13日付の医学雑誌「Nature Medicine」に報告されています。今回はこの論文を参考に、最先端の老化の研究と将来の応用についてのお話です。

 スナイダー教授は、スタンフォード大学内のニュースにこう語ります。

「老化に関しては、すでに『血中のコレステロール濃度は高齢者ほど高めである』など、いくつかのマーカー(目安となる体内物質)や、臨床的な検査項目があります。ただし、私たちは『高齢者は平均的にどうか』ではなく、老化についてもっと詳しく知りたい。それぞれの高齢者はどう老いるのでしょう? 同じ人の長期にわたる詳しい調査はありません」

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大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。