医療プレミア特集

性暴力被害者のために医療ができること

堀本江美・ブロッサム苗穂レディスクリニック院長
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日本で承認されている先発薬「ノルレボ錠」(左)と、より長時間の効果をうたった海外輸入薬=河内敏康撮影
日本で承認されている先発薬「ノルレボ錠」(左)と、より長時間の効果をうたった海外輸入薬=河内敏康撮影

 3月8日は国際女性デー。性暴力の被害にあった女性に医療面のケアは欠かせず、日頃からアクセスしやすい環境をつくることが求められる。現場で被害支援に向き合ったブロッサム苗穂レディスクリニック院長、堀本江美さんは病院拠点型の支援センターの必要性を提言する。

 心身に深い傷を残す性暴力は、心の成長にも深刻な影響を与える。ダメージは生涯にわたり、さらに次世代にまで影響を及ぼすこともある。女性たちは沈黙を強いられることすらあったが、近年は、被害を語り聞き合うフラワーデモが開かれるなど、変化の兆しもある。傷を癒やし、立ち直りに不可欠な医療は、この変化に応えているだろうか。地域医療の現場で被害者らと向き合った経験から、病院拠点型の性暴力被害者支援センターの必要性を強く感じている。

 数年前、私が関わった被害者支援センターで相談を受けた事例を紹介したい(編集部注=個人の特定を避けるため一部を改変しています)。

 警察官と母親に付き添われて中学2年の女子生徒が診察を受けに来た。小柄で、外見だけなら小学生と言われてもわからない幼さだった。硬い表情で押し黙る親子に代わって説明した警察官によると、女子生徒は見知らぬ男の部屋に数日監禁され、逃げ帰ってきたという。

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