ER Dr.の救急よもやま話

新型コロナじゃなくても「肺炎」に気をつけて

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)
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 冬は肺炎の季節です。特に高齢の方には多く、2016年には年間約11万9300人が死亡して、日本人の死因の第3位でした。また、新型コロナウイルスの感染が広がっており、これも肺炎の一因です。そこで今回は肺炎をテーマにします。

 斎藤さんは45歳の男性です。ある年の12月は30日まで仕事をしていました。31日にやっと休めるかと思ったところ、発熱しました。「インフルエンザかもしれない。でも年末年始に熱で病院に行ったら、忙しい医師に迷惑をかける」と思い自宅で休むことにしました。熱はなかなか下がらず、1月5日からは解熱剤を飲みながら仕事をしました。夜になると39度の熱が出てあまり眠れません。10日になって「もうこれはおかしい」と会社を休んで病院に来ました。診察をした医師から「せきやたんはないですか」ときかれて「多少あります」と答える斎藤さん。医師は聴診器を胸に当てて診察し「胸の音を聞くと肺炎の可能性もあります。胸のレントゲンをとりましょう!」と言いました。

 診断の結果、医師は次のように話しました。

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授(同大学病院救急医療部)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。