医療プレミア特集 フォロー

WHOはなぜ「パンデミック宣言」を逡巡したのか

医療プレミア編集部
新型コロナウイルスの影響で欠航が相次ぐなどして、閑散とした羽田空港第3ターミナルの出発ロビー=羽田空港で2020年3月15日午後3時32分、小川昌宏撮影
新型コロナウイルスの影響で欠航が相次ぐなどして、閑散とした羽田空港第3ターミナルの出発ロビー=羽田空港で2020年3月15日午後3時32分、小川昌宏撮影

 世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスの「パンデミック宣言」をいつ出すのか。

 3月初旬、スイス・ジュネーブのWHO本部で連日開かれている定例記者会見で、各国の記者が同じ質問を繰り返していた。3月9日には、毎日新聞社内でも「今日こそパンデミック宣言か」との臆測がかけめぐったが、当日の定例会見で事務局長のテドロス氏が述べたのは、次のような言葉だった。

 「the threat of a pandemic has become very real. But it would be the first pandemic in history that could be controlled(パンデミックの脅威が現実味を帯びている。でも、これは史上初めてコントロール可能なパンデミックだ)」

この記事は有料記事です。

残り3654文字(全文4000文字)

毎日新聞医療プレミア編集部は、国内外の医師、研究者、ジャーナリストとのネットワークを生かし、日々の生活に役立ち、知的好奇心を刺激する医療・健康情報をお届けします。