理由を探る認知症ケア

Tさんはなぜ他人の部屋に入ったのか

ペホス・認知症ケア・コミュニケーション講師
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 Tさん(70歳・女性)は、20代で結婚し、2人の子どもを授かりました。しかし、30代半ばで夫を不慮の事故で亡くし、女手一つで子どもたちを養っていかなければならなくなりました。そんな折に、大手メーカーが独身寮に住み込みで働ける寮母を募集していると聞き、応募したところ、無事に採用してもらえることになりました。

 初めは慣れない仕事に戸惑いましたが、徐々に仕事にも慣れて楽しく働けるようになっていきました。思いがけず、寮母の仕事をして良かったと思ったのは、寮で暮らす若手社員が子どもたちとキャッチボールやトランプをして遊んでくれたことでした。父親を早くに亡くした子どもたちは、まるで父や兄のように慕っていたので、とてもありがたかったそうです。

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ペホス

認知症ケア・コミュニケーション講師

ペ・ホス(裵鎬洙) 1973年生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、訪問入浴サービスを手がける民間会社に入社。その後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問介護、介護老人保健施設などで相談業務に従事。コミュニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、かかわる人の内面の「あり方」が、“人”や“場”に与える影響の大きさを実感。それらの経験を元に現在、「認知症ケア・コミュニケーション講師」「認知症ケア・スーパーバイザー」として、介護に携わるさまざまな立場の人に、知識や技術だけでなく「あり方」の大切さの発見を促す研修やコーチングセッションを提供している。著書に「理由を探る認知症ケア 関わり方が180度変わる本」。介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員。アプロクリエイト代表。