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新型コロナ 殺菌、消毒、抗菌、除菌の違いは?

高垣育・薬剤師ライター
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消毒液で手を消毒する子ども=大阪府吹田市の大阪大病院で2019年12月
消毒液で手を消毒する子ども=大阪府吹田市の大阪大病院で2019年12月

 突然ですが○×クイズです。

 「殺菌」や「消毒」はすべての細菌やウイルスを殺して除去できる?

 「抗菌」は抗菌加工が細菌やウイルスをバリアーみたいにはねのけてくれる?

 「除菌」は、一度拭えば、ほぼすべての細菌やウイルスを死滅させて取り除ける?

 正解はすべて×です。「あれ? 思っていたのと違う」という方は、新型コロナウイルス対策が気になる今だからこそ「殺菌」「消毒」「抗菌」「除菌」の、細菌やウイルスに対する働きの違い、感染症対策に役立つ商品選びのポイントについて確認してみませんか。新型コロナウイルス対策の情報には、正しいものと誤ったものが入り交じっています。似たような言葉が並んでうんざりするかもしれませんが、微生物を殺せるかどうかに焦点を当てると分かりやすくなります。

 まず「殺菌」は、細菌やウイルスなどの微生物の一部を殺す働きを意味します(通常、ウイルスのことを「菌」とは言いませんが、この場合は別です)。ポイントは、この言葉には「どの細菌やウイルスをどの程度殺すか」までは含まれていないということです。冒頭のクイズで「すべての細菌やウイルスを殺して除去」と書きましたが、これは「滅菌」という言葉で表します。「殺菌」の作用をする身近なアイテムとしては、薬用せっけん、薬用洗顔料などが挙げられます。

 なお「滅菌」は通常、人体では行えません。たとえば肌を滅菌しようとしたら、微生物と一緒に肌の細胞も殺すことになります。ですから滅菌の対象は通常、注射器やガーゼなどの医療用品です。

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高垣育

薬剤師ライター

たかがき・いく 1978年福岡県生まれ。2001年薬剤師免許を取得。調剤薬局、医療専門広告代理店などの勤務を経て、12年にフリーランスライターとして独立。毎週100人ほどの患者と対話する薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。15年に愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書「犬の介護に役立つ本」(山と渓谷社)を出版。人だけではなく動物の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行い、さまざまな媒体に寄稿している。17年には国際中医専門員(国際中医師)の認定を受け、漢方への造詣も深い。