スマートフォンやゲーム機を長時間利用することが珍しくない現代の子どもたち。発達障害やその疑いのある子どもはネット依存との関係がよく指摘されるが、鳥取大学大学院教授の井上雅彦さんは、発達障害そのものが依存の原因ではなく、保護者が依存の背景を理解するよう促している。前回は子どもの状況を理解したうえでコミュニケーションを改善する方法を紹介したが、次は、実際に行動が変わっていくようなルール作りのコツを紹介する。

 前回はネット依存から脱却する第一歩として、コミュニケーションの改善のために、子どもがはまっているゲームやサイトの情報を知ることと、子どもの好きな話題を積極的に会話にしていくこと、ちょっとしたきっかけを作って子どもを褒めることについて述べました。今回は、ルールづくりと生活時間の管理、そして他の活動へ関心を転じることについて考えてみたいと思います。

 タケシさんとお母さんとのコミュニケーションはずいぶん改善してきました。お母さんも指示や叱責が減り、褒めることも増えていきました。また、タケシさんの話をすぐに否定するのではなく、耳を傾けて受け止める余裕が出てきたようです。

母「私自身は、気持ち的にはずいぶん楽になってきたのですが、タケシは相変わらず学校に行ったり行かなかったりで、ゲームの時間も減っていません。次はどうしていけばよいでしょうか」

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井上雅彦

鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座教授

鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座教授。専門は応用行動分析学、臨床心理学。同研究科付属臨床心理相談センターで発達障害を中心に当事者や家族の相談を受けている。公認心理師、臨床心理士、専門行動療法士などの資格を持ち、ペアレント・トレーニング・システムなどの支援プログラムを開発。主な著作に「発達が気になる幼児の親面接:支援者のためのガイドブック」(共著、金子書房)、「発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方」(監修、LITALICO発達ナビ編集部協力、すばる舎)など。