現代フランス健康事情

1カ月超の外出制限 仏国民の暮らしは

竹内真里・フランス在住ライター
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例年初夏にやってくる移動遊園地も営業できず、無人の回転ブランコが。閉まった門の先には、関係者の子供たちの遊ぶ声が響いていた=パリ12区バンセンヌの森で4月18日、筆者撮影
例年初夏にやってくる移動遊園地も営業できず、無人の回転ブランコが。閉まった門の先には、関係者の子供たちの遊ぶ声が響いていた=パリ12区バンセンヌの森で4月18日、筆者撮影

 3月17日から外出制限中のフランス。例年なら「夏のバカンスはどこ行くの?」という会話が交わされる時期だ。

 4月13日夜、エマニュエル・マクロン大統領の演説で、5月11日まで外出禁止措置の延長が明らかになった。日本も4月16日夜、安倍晋三首相が緊急事態宣言を全国に発令した。単純な比較はできないが、1カ月先に措置を開始したフランスのこれまでの変化や、人々の生活の様子をリポートする。

 まずはフランスの外出制限はどんなものか、おさらいしてみよう。

 やむなく外出する時は、外出許可書の携帯が必須。当初は印刷または手書きの紙のみだったが、4月6日から電子版も追加となった。フランス内務省のサイトからQRコード付きの書類が作成でき、検問時に見せる。これなら紙やインクの無駄にならない。

 外出が認められる項目は、5項目から7項目になった。

▽テレワークが不可能な、必要不可欠な仕事のための自宅と職場間の移動(この場合、出勤証明書と雇用主のサインも必要)。

▽仕事のために必要な買い物、生活必需品の購入のための指定施設への移動。

▽遠隔診療が行えず、延期不可能な場合の受診。慢性疾患を抱えた患者の受診。

▽親族のためのやむを得ない移動、弱者への支援、子どもの保護のための移動。

▽自宅から1キロ、1時間以内で行う他人との接触をしない個人の運動、同世帯の人との散歩、飼い犬の排せつのための外出。パリや近郊の街、地域によっては、個人運動であっても午前10時から午後7時まで禁止。

▽司法や行政による呼び出しに対する移動。

▽行政の要請を受けて行う公益活動への参加。

 違反した場合、罰金135ユーロ、2週間以内の再犯者には1500ユーロ。ひと月に4回違反すると3700ユーロ、プラス6カ月の刑罰が科せられる。

 なお、前回の記事公開時点ではマルシェが閉鎖されたが、条件(入場制限、一方通行の進路、買い物前と後には設置のアルコールジェルで手指を消毒、前後の客同士の距離は2.5メートルあける、野菜や果物などの取り扱いは店主が行い、客は一切触れないなど)を満たした一部のマルシェでは、再開となっている。

 では、5月11日以降はどう変わるのか。

▽保育園、幼稚園、小中高校は徐々に再開。大学は閉鎖のまま。

▽レストランやバーなど不特定多数の人が一定時間集まる飲食店、映画館、美術館などは引き続き閉鎖。

▽5月11日以降、国民にマスクを配布予定。

▽…

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竹内真里

フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。