男性は「3人に2人」

 今、日本人が生涯に何らかのがんにかかる確率は男性が62%、女性は47%です。しかし、実態はもっと高いはずだと思います。 仮に、読者の皆さんが、がんと診断されたとします。すると、あなたのがんの情報は、国に「自動的」に届けられます。

 2013年12月に「がん登録推進法」が成立し、16年から、すべてのがん患者の基本情報は国に集約されています。

 私もぼうこうがんに罹患(りかん)しました(別の機会に詳しくお伝えします)が、ステージ、病理所見、治療法などは東京大病院から東京都、国へと届けられているはずです。

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東大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1985年東京大医学部卒。スイス Paul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、同大医学部付属病院放射線科助手などを経て、2021年4月から同大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。同病院放射線治療部門長も兼任している。がん対策推進協議会の委員や、厚生労働省の委託事業「がん対策推進企業アクション」議長、がん教育検討委員会の委員などを務めた。著書に「ドクター中川の〝がんを知る〟」(毎日新聞出版)、「がん専門医が、がんになって分かった大切なこと」(海竜社)、「知っておきたい『がん講座』 リスクを減らす行動学」(日本経済新聞出版社)などがある。