
一般的に「むくみ」「浮腫」というと、水分がうまく排出されず、本来よりも膨張したり、ひどいときにはパンパンに腫れ上がったりするイメージがあります。もっぱら皮下の軟らかい組織に起きると思いがちですが、実は骨にも「骨髄浮腫(こつずいふしゅ)」という状態があります。硬い骨は、腫れたり、むくんだりすることもあるのでしょうか。
X線では見つけにくいがMRIではっきり
骨は、外部からの強い負荷にも耐える硬い組織部分が多くを占めますが、実は骨の内部にある「骨髄」という組織部分は、軟らかいゼリー状で赤血球や白血球をつくる造血機能をもっています。
骨髄浮腫は、骨の内部の骨髄部分に炎症が起きて、腫れている状態をさします。負担が大きい足の骨や関節部に起こりやすく、X線では見つけにくいのが特徴です。しかしMRI(磁気共鳴画像化装置) でははっきりと映し出されます。
慢性の腰痛を抱えた患者で、X線検査では異常がなかったものが、MRI画像で骨髄浮腫を認め、原因特定に至ったという症例も少なくありません。
変形性関節症や関節リウマチの進行の目安
骨髄浮腫はスポーツなど骨に負担がかかる状態が続くことや、疲労骨折、外反母趾や変形性関節症、関節リウマチ、腰椎すべり症などの骨や関節の病気が原因になります。また、打撲や靱帯(じんたい)損傷などの外傷に伴う場合は「骨挫傷」と呼ばれることがあります。
近年、中高年以上に増えている変形性関…
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