全国の医療機関が新型コロナウイルスによる「医療崩壊」に危機感を募らせる中、「もともと医療崩壊は起きている」と訴える医師がいる。北海道の北部、士別市にある士別市立病院の長島仁院長(60)だ。東京23区の倍近い面積(1119平方キロメートル)がある市内唯一の病院で、外来、入院、当直をわずか10人の常勤医と派遣の医師で支える。だが、新型コロナの感染拡大で、周辺の病院に重症患者の受け入れを断られるケースが生じている。毎日新聞の取材に応じた長島院長は「今後は、救急や外来の受け入れをやめるしかない可能性もあると覚悟を決めている」と言葉を絞り出した。【オピニオングループ・永山悦子】
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