“子ども食堂”の時代―親と子のSOS―

新型コロナ禍 子どもの心をどう守る?

可知悠子・北里大学講師
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 政府による緊急事態宣言が発令されている中、在宅勤務をされている方も多いでしょう。いつもと違う環境での仕事に、疲れを感じている方もいると思います。専業主婦(夫)の方も、いつもは平日昼間にいないパートナーや子どもたちが家にいて、ストレスがたまっているかもしれません。そんな時に、子どもが「ねーねー」とくりかえし声をかけてきたり、わがままを言ったりすれば、イラッとしますよね。どうしても「静かにしなさい!」「わがままばかり言うんじゃない!」と叱ってしまいがちですが、一呼吸して子どもの様子をよく観察してみてほしいのです。

 いつものように学校や塾、習い事に行けない、友達とも自由に会えない、大切な卒業式や入学式が中止になるといった日常が失われた状況は、一種の喪失体験です。寂しさやいら立ちを感じている子どもも少なくないでしょう。乳幼児は大丈夫と思われるかもしれませんが、少なくとも2歳以上は環境の変化に気づき、動揺を覚えると言われています。

 私には4歳の息子がいますが、よく通っていた屋内の遊び場が閉まっているのを見て、はらはらと泣いていました。彼にとっての大切な日常が失われたことが悲しかったのでしょう。こうして泣いたり、怖がったりすれば、子どもの気持ちを察しやすいと思います。でも、悲しみや不安の表現は必ずしも大人にわかりやすいものばかりではありません。

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可知悠子

北里大学講師

かち・ゆうこ 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。2006年から10年間、臨床心理士として子どもや女性のカウンセリングにあたる。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座助教、日本医科大学衛生学公衆衛生学教室助教を経て、18年4月から北里大学医学部公衆衛生学単位講師。東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学教室客員研究員、国立成育医療研究センター社会医学研究部共同研究員、首都大学東京客員准教授。共著に「子どもの貧困と食格差~お腹いっぱい食べさせたい」(大月書店)。自身も3歳児の子育て中。労働者とその子どもの健康の社会格差をテーマに研究を行っている。