私たちの身体は37兆個もの細胞からできていますが、毎日たくさんの細胞が死んでいます。髪の毛が1本抜ければ一つの細胞が死んだことになります。アカは皮膚の細胞の死骸ですし、腸の細胞の寿命は数日から週単位です。

 私たちの体内では、毎日、1兆個近い細胞が死んでいると言われます。そして、1兆個もの新しい細胞が、細胞分裂によって供給されているわけです。

 細胞分裂では、細胞の設計図である遺伝子を複製する必要があります。しかし、毎日1兆回近い複製をするわけですから、「コピーミス」が起こることがあります。これが進化の原動力でもある突然変異です。

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中川 恵一

東大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1985年東京大医学部卒。スイス Paul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、同大医学部付属病院放射線科助手などを経て、2021年4月から同大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。同病院放射線治療部門長も兼任している。がん対策推進協議会の委員や、厚生労働省の委託事業「がん対策推進企業アクション」議長、がん教育検討委員会の委員などを務めた。著書に「ドクター中川の〝がんを知る〟」(毎日新聞出版)、「がん専門医が、がんになって分かった大切なこと」(海竜社)、「知っておきたい『がん講座』 リスクを減らす行動学」(日本経済新聞出版社)などがある。