医療プレミア特集

医療的ケア児と母親を追いつめる感染の恐怖

医療プレミア編集部
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華子さん(右)の世話をする福満さん。「風邪でも肺炎になりやすいので、感染が心配」と話す=東京都で、家族提供
華子さん(右)の世話をする福満さん。「風邪でも肺炎になりやすいので、感染が心配」と話す=東京都で、家族提供

 一番弱いものが一番先に窮地に立たされる――。震災でも、不況でも、戦争でもそうだった。新型コロナウイルスの感染が広がる中、医療的なケアが必要な子ども(医ケア児)はどのような状況に置かれているのだろうか。栄養剤の注入やたんの吸引などを日常的にしながら、かけがえのない命をつないでいる子のことである。

 そんな心配をしていたら、育児休業中の私の元に、かつて取材でお世話になった方からメールが届いた。そのメールから、保護者は感染の恐怖におびえ、医ケア児や重症児はかつて経験したことのない命の危険にさらされていることを知った。記事にしなければと思い、デスクに連絡したら「まだ育休中だから……」と煮えきらない。でも、いたたまれない。0歳児を抱きながら医ケア児や重症児のいる家庭に電話をかけ、長らくたたいていなかったキーボードに向かった。【地方部・賀川智子】

 電話口のその声は静かで、厳しい現実をかみしめているようだった。

 「自分が感染したらこの子の命はない……」

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