医療プレミア特集

「全て解除ありえない」諮問委メンバーに聞く

医療プレミア編集部
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北九州市役所の入り口に設置されたサーモグラフィー。来庁者らの体温を自動で測定し、発熱者の庁舎利用を予防する=北九州市役所で2020年4月27日、浅野翔太郎撮影
北九州市役所の入り口に設置されたサーモグラフィー。来庁者らの体温を自動で測定し、発熱者の庁舎利用を予防する=北九州市役所で2020年4月27日、浅野翔太郎撮影

 5月6日に期限を迎える新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言は、1カ月程度延長される見通しです。経済活動の再開を求める声はありますが、政府諮問委員会の構成員を務める釜萢敏(かまやち・さとし)日本医師会常任理事は「5月6日にすべて解除することはありえない」と断言します。その真意を尋ねました。【くらし医療部・原田啓之】

Q:緊急事態宣言後の外出自粛の効果をどのように評価していますか。

A:国民の協力で人通りが少なくなりましたが、なかなか感染者が減りません。諸外国と違い公共交通機関や高速道路を止めるまではしていません。これまでの自粛で効果が不十分だという事態が出てきたら、欧米並みの都市封鎖まで考えないとだめなんじゃないかな。法的な根拠がないので、国民の理解を得た上で仕事を実質的に休みにすることも考えられます。

Q:5月6日以降はどのような対策が必要でしょうか。

A:少なくともすべて解除はありえないでしょう。ただ、国民生活への影響は甚大です。全く仕事ができなくて収入が途絶えている人への対策はさらに国として強力にしないといけない。それを前提に、今やっている中で、工夫することによって社会活動を少し変えていくことができる部分と、さらに強力に抑制化するところとがあるので、整理できないかと感じています。

Q:自粛はいつまで続ける必要がありますか。

A:しっかり判断できるデータはないのですが、4月7日に緊急事態宣言を出してから2カ月と考えると、少なくとも6月初めくらいまでは同等の自粛が必要でしょう。現状のような制限ができれば、(人と人の)接触を8割は削減できないものの、7割の削減で2カ月後には改善の傾向がはっきりしてくる。そのくらいが(自粛を続ける)限度だと思います。

Q:諮問委員会の中でいち早く、政府に緊急事態宣言を求めました。

A 3月30日の(日本医師会の)記者会見で、「早く宣言を出すほうがいい」と申し上げました。前の週に流行地域の都道府県医師会長との電話会議で、地域の医療情勢が逼迫(ひっぱく)している状況が報告されました。軽症者も含めてどんどん入院が増えたらすぐに病床が満杯になる。宣言を出して知…

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