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「畜産でヒトの感染症リスク増」英論文が警告

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 抗菌薬を多用するといった集約的な畜産業の慣行が、ヒトの感染症リスクを高めると、英国の研究者が警告を発している。畜産業で飼育される動物は、その個体数が多いことに加え、遺伝的多様性が低いことも感染症リスクに関係しているという。英バース大学ミルナー進化センターのSamuel Sheppard氏らの研究グループが、カンピロバクタージェジュニ(C. jejuni)という細菌の進化について研究を進める中で明らかになった。詳細は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」5月4日オンライン版に掲載された。

 C. jejuniはトリやブタ、ウシの糞便中に含まれている細菌。富裕国におけるヒトの胃腸炎の主要原因の一つとして、主に畜牛が媒介するC. jejuniが知られている。畜牛の20%の糞便中に3万cfu/g(1gに3万個)の濃度でC. jejuniが存在すると考えられている。C. jejuniがヒトの疾患を引き起こす頻度は、大腸菌やサルモネラ菌、リステリア菌の合計の3倍に上るとされている。

 「地球上には推定15億頭の畜牛がいる。それぞれが1日約30キロの糞便を排出する。その約20%にこの菌が含まれているとすると、毎日約 30京個ものC. jejuniが排泄されていることになる。これは公衆衛生上の大きな潜在的リスクである」とSheppard氏は述べている。

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