ボストン発 ウェルエイジング実践術

新型コロナ 「絶望による死」7万5000人増の予測

大西睦子・内科医
  • 文字
  • 印刷
ホームレスのためのシェルター(一時宿泊施設)の前で話をする人たち=2020年5月14日午後3時ごろ、米マサチューセッツ州ボストンで大西睦子医師撮影
ホームレスのためのシェルター(一時宿泊施設)の前で話をする人たち=2020年5月14日午後3時ごろ、米マサチューセッツ州ボストンで大西睦子医師撮影

 米国の経済は、新型コロナウイルスの影響で深刻な不況に陥っています。米労働統計局によると、2020年4月の失業率は14.7%に達しました。「2カ月前に新型コロナウイルスの感染が拡大してから、2000万人以上の米国人が失業しています。2月に働いていた人で、年間所得4万ドル未満の世帯の人のほぼ40%が3月に失業しました。この規模とスピードの不況は前例がなく、第2次世界大戦以降のいかなる不況より著しく悪いです」。米シンクタンク「ピーターソン国際経済研究所」のジェローム・パウエル所長は5月13日に、インターネットを通じてこう話しました。

 さらに、コロンビア大学のブレンダン・オフラティ教授(経済学)らは「19年1月に比べて20年末までに、全米でホームレスが40〜45%、人数にして約25万人増加する。80万人もの米国人が、今年の夏までにホームレスの状況を経験する可能性がある」と推定しています。

この記事は有料記事です。

残り3645文字(全文4041文字)

大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。