ER Dr.の救急よもやま話

新型コロナ 次の流行にどう備えるか

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)
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 新型コロナウイルスによる感染症(COVID19)による影響が、社会全体に大きな影を落としています。今のところ、日々の感染者発生数は減少の傾向が続き、我々の施設でも少しずつ患者さんが減ってきています。COVID19に対応する医療機関の数も増え、安全な検査方法が広がり、検査を実施するキャパシティーもゆるやかに増えてきました。一方で、社会全体としては、経済活動の落ち込みからくる倒産が増えています(4月の倒産件数758件、前年同月比16.4%増:帝国データバンク)。この不況からいつ回復できるのか、見通しははっきりしません。さらに、今は減っている感染が再び増えてくる「第2波」の心配もあります。ということで今回は、今後どのように「コロナとともに」我々が経済活動を再開し、第2波に備えるかについてです。

 新しく登場したウイルス感染症について考察する際に、必ず引き合いに出されるのは、1918年の「スペイン風邪」です。このスペイン風邪においては3月に生じた第1波に加えて、晩秋に第2波が起きています。そして第1波と第2波のどちらが致死性が高かったかというと第2波でした。第2波の致死率は1波の10倍になったと報告されています。またその後19年の初めに第3波があったことも報告されています。2009年に、当時の「新型インフルエンザウイルス」(H1N1型)が登場した際にも、第1波と第2波がありました。

 今回のCOVID19も、流行が収束してきたとはいえウイルスが根絶されるとは考えにくいため、第2波、第3波が起きる可能性が極めて高いと考えられます。

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授(同大学病院救急医療部)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。