百年人生を生きる

コロナ禍 “食堂”再開は多メディアで

星野哲・ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員
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オンラインのシニア食堂の参加者=筆者撮影(一部画像を加工しています)
オンラインのシニア食堂の参加者=筆者撮影(一部画像を加工しています)

 新型コロナウイルス感染拡大で人が集まる活動は大きく制限されるようになった。以前、この連載でも紹介した、千葉県流山市でNPO法人が始めた「シニア食堂」もその一つだ。シニアが集まり、料理を一緒に作って食べる活動は3月から休止中。だが、インターネットを使って「つながり」を維持する工夫をしたところ、「リアル」の活動とは違った効用があることも見えてきたという。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、簡単には以前と同じ活動には戻れないだろう。手紙や電話といった昔ながらの手段も併用して孤立を防ぐ取り組みは、ほかの高齢者向け活動の参考になるのではないか。

 5月21日、オンライン画面上にずらりと顔が並んだ。テレビ会議システム「Zoom(ズーム)」を使ったシニア食堂の3回目の活動日。開始時間になっても、音声はつながるが自分の顔をなかなか画面に映せない人もいて、アドバイスが飛び交うなど最初からにぎやかだ。それでも16人のシニア全員が顔を映し出せて、みな、うれしそう。会のモットーは「もたもたOK! うっかりOK!」だから、慌てることもない。

 リアルの会と違い全員での料理はできないが、あらかじめ「卵料理」「おにぎり」など「お題」を決め、参加者はお題に沿った料理を作って画面で見せ合い、食べながらおしゃべりする。今回は「お味噌(みそ)汁」が課題だ。それぞれが画面にみそ汁を映しながら「新玉ねぎと卵を使ったの」「ご近所からわけてもらった野菜に、エビをだしにしてみた」などと説明し、それぞれの場所で食した。

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星野哲

ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員

ほしの・さとし 1962年生まれ。元朝日新聞記者。30年ほど前、墓や葬儀の変化に関心を持って以降、終活関連全般、特にライフエンディングについて取材、研究を続けている。2016年に独立。立教大学大学院、東京墨田看護専門学校で教えるほか、各地で講演活動も続ける。「つながり」について考えるウエブサイト「集活ラボ」の企画・運営も手がける。著書に「遺贈寄付 最期のお金の活かし方」(2018年、幻冬舎)「『定年後』はお寺が居場所」(同、集英社新書)「終活難民-あなたは誰に送ってもらえますか」(2014年、平凡社新書)ほか。