ジソウのお仕事

子どもにDVを見せてはいけない

青山さくら・児童相談支援専門職員
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 児童相談所(児相)の児童福祉司として働いてきた青山さくらさんが、児相の日常とそこで働く人の思いを描く連載「ジソウのお仕事」。今回は、母親に暴力を振るってしまう高校生の息子と、「こわい」と言いながら離れることができない母親のお話です。

  ◇ ◇ ◇

 「息子に蹴られたんです」。窓口に相談に来たお母さんの顔は、マスクからはみ出すほど紫色にはれていた。

 高校生のGくんは中学から不登校だった。なんとか高校に進学したものの、教室に入れず、登校をうながした母を殴り倒し、倒れた母の顔を何度も蹴った。殺される、と思って児童相談所(児相)に逃げてきたようだった。

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青山さくら

児童相談支援専門職員

「青山さくら」はペンネーム。複数の児童相談所で児童福祉司として勤務。「ジソウのお仕事」は隔月刊誌「くらしと教育をつなぐWe」(フェミックス)で2009年4月から連載。過去の連載の一部に、川松亮・明星大学常勤教授の解説を加えた「ジソウのお仕事―50の物語(ショートストーリー)で考える子ども虐待と児童相談所」(フェミックス)を20年1月刊行。【データ改訂版】を2021年3月に発行した。絵・中畝治子