実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ ソフトバンクと東大の抗体調査

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 新型コロナウイルスの抗体検査は、疫学的調査としてなら意味があるが、「個々の臨床診断には使えない」ことを本連載で繰り返し述べてきました。現時点でも保険診療で行える信頼できる抗体検査は存在しないのですが、過去1週間ほどで抗体検査自体が大変注目を浴びるようになってきました。その理由の一つはソフトバンクグループ(SBG)が実施した大規模調査です。今回は、同社の調査結果を振り返り、後半では新たな抗体検査について私見を述べたいと思います。

 6月9日、SBGは独自の抗体検査の調査結果を発表しました。3月には100万人に無償PCR検査を実施すると表明しその後撤回した孫正義社長が、今度は大規模抗体検査を実施すると発表したのが5月の初旬です。その後約1カ月で同社は4万人以上に検査を実施しました。これだけの規模の調査をわずか1カ月で実施し、さらに結果も発表されたことに私は心底驚きました。しかも、その結果の内容が納得できるものなのです。本来は…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト