医療プレミア特集

コロナ専門家会議・脇田座長に聞く<連載1回目>

医療プレミア編集部
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インタビューに答える国立感染症研究所の脇田隆字所長=東京都新宿区で2020年6月3日、吉田航太撮影
インタビューに答える国立感染症研究所の脇田隆字所長=東京都新宿区で2020年6月3日、吉田航太撮影

 新型コロナウイルス感染症の流行は、国内では一定程度収まり、5月25日に緊急事態宣言が解除された。だが、世界中では感染の拡大が続いている。中国・武漢でウイルスが見つかってから5カ月あまり。政府の感染対策にさまざまな助言をしてきた科学者たちはウイルスとどう向き合ってきたのか。5人の証言で振り返る。1回目は政府専門家会議座長の脇田隆字・国立感染症研究所長に聞いた。【聞き手 くらし医療部・金秀蓮】

Q:2019年の暮れに中国・武漢で原因不明の肺炎が起きているという報道がありました。当時どのような情報を把握されていましたか。

A:当初、正式な情報がなかったので、国立感染症研究所は1月9日に中国の疾病対策センター(CDC)に情報提供を依頼しました。どういう病原体が原因で、流行はどうで、患者の症状はどうなのかと。元々、感染研と中国CDC、韓国CDCは年に1度会議を開いて情報交換をしています。そのチャンネルを通じて、中国CDCに依頼しましたが、返事がありませんでした。そして、翌10日、中国CDCから遺伝子配列が公表され、病原体は新型コロナウイルスで03年に見つかった重症急性呼吸器症候群(SARS)と近いことが分かりました。最初は全く情報がなく、中国でも四十数人の患者がいると。ヒトからヒトへの感染はなく、海鮮市場で流行しているという話を聞いていました。

 感染研には国内の統一した検査マニュアルを作り、地方衛生研究所に検査のために必要なプライマーやプローブなどの検査試薬を提供するという役割があります。1月はその準備を進めることに集中的に取り組んでいました。疑いのある患者の検体が地方から送られてきて、感染研で検査をする。同時に地方自治体で検査ができるようにするという両方を進めていました。

Q:新型コロナウイルスの特徴はどのように分かっていったのでしょうか。

A:当…

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