医療プレミア特集

2㎡を描く 闘病記が大賞受賞

医療プレミア編集部
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大賞の盾を手に笑顔を見せる前田海音さん=札幌市中央区で2020年6月11日、菊地美彩撮影
大賞の盾を手に笑顔を見せる前田海音さん=札幌市中央区で2020年6月11日、菊地美彩撮影

 2×1mのベッドを囲む病室の小さな空間。神経の難病で入院を繰り返している札幌市伏見小4年の前田海音(みおん)さん(10)が、闘病体験をつづった「二平方メートルの世界で」が、今春審査があった「第11回子どもノンフィクション文学賞」(北九州市主催)の小学生の部大賞を受賞した。執筆のきっかけは、ベッドで横になっている時の「思いがけない発見」だったという。【北海道報道部・菊地美彩】

 前田さんは3歳の時に国の指定難病の「限局性皮質異形成」を発症。脳の大脳皮質と呼ばれる部位の異常で発作などが起き、睡眠中に呼吸や心臓が止まることもある。毎日の服薬と毎月の通院、年3~4回の入院治療が必要だ。

 毎日の服薬は、錠剤1種類と、散剤が2種類。多い時は1日に10錠もの薬を飲まなければならなかったという。時間も決められ、疲れたらそのまま寝る、ということができない。「起こされて、飲まされて、また寝るの」。前田さんは記者に切なげに説明する。

 楽ではない闘病だが、病棟にいるたくさんの子どもを見ている前田さんは、作品中で「どうして私だけ、とは思わない」と書く。支えてくれる家族にも「ごめんなさい。と思う」と気遣いを見せる。一方で、学校で友達…

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