理由を探る認知症ケア

穏やかなKさんが大声になったのは…

ペホス・認知症ケア・コミュニケーション講師
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 Kさん(60代・男性)が高校卒業後、父親の紹介で就職した会社は、船の部品を製造していました。子どもの頃から、手先が器用だったKさんにとっては、ミリ単位での正確さが求められる作業は、とてもやりがいのある仕事だったので、定年を迎えるまで一貫して現場の職人として働き続けました。

 就職して5年目に、職場が同じだった妻と結婚し、翌年には長女が誕生しました。以前から仕事場でも面倒見が良かったため、職場でもいろんな人から慕われていました。長女が生まれてからはさらに面倒見の良さに磨きがかかったのか、誰からも頼られる存在になっていったようです。

 惜しまれながら定年退職を迎えたKさん。Kさんは会社を辞めた翌日から、趣味のカラオケを大いに楽しんでいました。毎日のように、朝はウオーキングにでかけ、昼からはカラオケスナックで気心の知れた仲間と過ごし、夕方には帰ってくるという暮らしをしていました。

 ところが、ある朝、目覚めても自分で起…

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ペホス

認知症ケア・コミュニケーション講師

ペ・ホス(裵鎬洙) 1973年生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、訪問入浴サービスを手がける民間会社に入社。その後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問介護、介護老人保健施設などで相談業務に従事。コミュニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、かかわる人の内面の「あり方」が、“人”や“場”に与える影響の大きさを実感。それらの経験を元に現在、「認知症ケア・コミュニケーション講師」「認知症ケア・スーパーバイザー」として、介護に携わるさまざまな立場の人に、知識や技術だけでなく「あり方」の大切さの発見を促す研修やコーチングセッションを提供している。著書に「理由を探る認知症ケア 関わり方が180度変わる本」。介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員。アプロクリエイト代表。