実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ マスク着用は地域ごとのルール化を

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 前回のコラム「新型コロナ この夏にレジャーを楽しむ方法」でも述べたように、新型コロナウイルス感染の心配が残る中で今年の夏を楽しむには、効果的なマスクの使い分けが必要です。簡単に前回のポイントを紹介しておくと、「複数種・複数枚のマスクを携帯しTPOに応じて使い分ける」「布マスクの長所と短所を理解する」「海や山などマスクを着用しなくていいレジャーもある」「機内でもマスクを着用し飲食はできるだけしない」などです。これらは個人向けの助言です。では社会全体で考えたときにはどのような「ルール」を設けるべきでしょうか。また、そのルールは法的な効力や罰則を伴うべきなのでしょうか。今回は実際に報道された「事件」も取り上げ「マスク着用のルール化」について問題提起をしてみたいと思います。

 まずは日本の事件を振り返ってみましょう。

 西日本新聞などによると、6月18日、北九州市のパチンコ店で、40歳の男が27歳の男性店員の顔を殴り、暴行容疑で逮捕されました。殴った男は、店員からマスク着用を求められたことに腹を立てて犯行に及んだようです。報道によれば、他の客から「マスクをしていない人がいる」と指摘を受けた店員が、店に常備してあるマスクを着けるようにお願いしたところ、突然顔を殴られたそうです。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト