デンマーク・ユトランド半島南部のドイツとの国境。検問所がなく、自由に行き来できていたが、新型コロナウイルスの影響でここも封鎖されていた=筆者撮影
デンマーク・ユトランド半島南部のドイツとの国境。検問所がなく、自由に行き来できていたが、新型コロナウイルスの影響でここも封鎖されていた=筆者撮影

 新型コロナウイルスとの闘いは日本で続いていますが、これはもちろんデンマークも同じです。感染者の総数は6月26日時点で1万2675人。死亡率は4.8%となっています。検査は症状がなくても希望者は受けることができ、人口約580万人の割には感染者総数は、日本の1万8390人(6月28日時点)よりずいぶん多くみえます。

 また、日本では段階的に自粛要請が解除されてきていますが、デンマークはより強制力を伴う“封鎖”の解除を段階的に行ってきています。各国の封鎖解除については断片的にはお聞きになっているかもしれませんが、国によっても異なります。在デンマーク日本大使館のサイトを参考にデンマークの封鎖解除についてご紹介します。

 まず、4月15日から保育園、幼稚園、小中学校5年までの学校教育が再開しました。高校などの最終学年及び一部の医療科学課程の最終学年等も同様に再開されました。

 続いて、4月20日に第1段階の封鎖解除が行われました。再開が認められた代表的な職業は以下のとおりです。

【医療分野】理学療法士、カイロプラクター、作業療法士、栄養士、フットセラピスト、眼鏡・コンタクトレンズ技師、サイコロジスト、歯科分野(歯科医,歯科技師等)、聴覚分野、私立の病院・クリニック(デンマークではほとんどが公立病院)

【自由業】美容院、エステ・マッサージクリニック、ボディーケアクリニック、スパクリニック、タトゥー・ピアッシングクリニック、顧客との身体的接触…

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銭本隆行

日本医療大学認知症研究所研究員

ぜにもと・たかゆき 1968年広島市生まれ、福岡市育ち。51歳。早稲田大学政治経済学部在学中にヨーロッパを放浪。そのときにデンマークと出会う。大学卒業後、時事通信社、産経新聞社で、11年間の記者生活を送る。2006年にデンマークへ渡り、デンマーク独自の学校制度「国民高等学校」であるノアフュンス・ホイスコーレの短期研修部門「日欧文化交流学院」の学院長を務めた。全寮制の同校で知的障害者のデンマーク人らと共に暮らし、日本からの福祉、教育、医療分野に関する研修を受け入れながら、デンマークと日本との交流を行ってきた。2010年にオーデンセペダゴー大学で教鞭を執り、2013年にはデンマークの認知症コーディネーター教育を受けた。  2015年末に日本に帰国し、2016年3月に名古屋市の日本福祉大通信制大学院で認知症ケアシステムに関する修士号を取得し、同年、福岡市の精神障害者の生活訓練事業所の設立・運営に携わる。現在は札幌市の日本医療大学認知症研究所と名古屋市の日本福祉大学大学院博士後期課程に在籍しながら地域包括ケアシステムに関する研究を進めている。ノーマライゼーション理念の提唱者であるデンマーク人の故N.E.バンクミケルセンにちなむN.E.バンクミケルセン記念財団理事も務める。