実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 発症しない人からもうつる?

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 新型コロナウイルス感染症が流行しだしておよそ半年が経過しました。この間に世界は大きく変わりました。「袖振り合うも多生の縁」ということわざは過去のものとなり、2メートルの距離(ソーシャルディスタンシグ)を確保しなければならなくなり、不要不急の外出を控えるべき状態は今も続いています。

 新型コロナウイルスという病原体について、我々医療者も依然分からないことが多数あります。つい先日の6月25日、米疾病対策センター(CDC)は「我々は新型コロナについて毎日学んでいる(We are learning more about COVID-19 every day)」との見解を発表しました。半年前の時点では、新型コロナの影響で、若者にも脳梗塞(こうそく)が生じることがある▽若者の下肢切断が余儀なくされることがある▽肺炎は回復しても後遺症に苦しめられることがある――などを予想していた医療者はまず間違いなく皆無です。今後も次々に、予期しない事象が見つかっていくものと思われます。

 そんな依然分からないことだらけの新型コロナの最大の謎のひとつが「無症状者からの感染」です。この点が明らかにならなければ我々は安心して生活することができません。まったくの無症状者がいつ誰に感染させてもおかしくないのだとしたら、我々はもう高齢者と接することができません。肥満や高血圧がある人は繁華街に出かけることを(少なくとも有効なワクチンが開発されるまでは)避けなければなりません。本当にそこまでの制…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト