ER Dr.の救急よもやま話

夏のお酒の楽しみ方 熱中症とコロナにご用心

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)
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 梅雨明けも近づき、暑く楽しい夏が迫ってきています。みなさんのお体の調子はいかがでしょうか。例年夏になると、野外で活動している家族や友人のグループの一部の方がお酒を飲んで、その後、川や海に入り溺れてしまう。というニュースが流れます。もちろん新型コロナウイルス感染症も怖いのですが、楽しいはずの飲酒が命の危険をもたらすということもあります。ということで今回は「夏の飲酒の注意点」についてお話ししたいと思います。

 飲酒後は運動の機能が落ちます。飲酒をしていなくても、普段泳いでいない人が流れの強い川や海流のある海で泳ぐことは危険です。そこにお酒の影響が加わると、当然ながら非常に危険です。救急医をしていると必ず、夏の飲酒後に溺水で死亡した、という残念な事例に遭遇します。とにかく、川辺、海辺のバーベキューやキャンプの際には、飲酒後は水に入らず、お休みいただきたいと思います。また、お子様が水辺にいる際には、ライフジャケットを着用させることがお勧めです。周囲の大人も着けるとよいでしょう。

 2019年の8月でした。私は友人に招かれてバーベキューにうかがいました。ホストは晴れた夏の日差しの中、熱い鉄板で一生懸命参加者に肉を焼いて振る舞ってくれました。適宜、水分をとっていましたが、どうしてもお酒も飲みます。

 飲酒をすると、水分をとっているようで、体のあちこちにむくみが起きます。むくみが起きると、そこに血管から水分が移動してしまい、血管内の水分が減ります。そして、お酒には尿を増やす作用もあって、体から水分を出してしまいます。

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授(同大学病院救急医療部)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。