子どもを持つがん患者のコミュニティーサイト「キャンサーペアレンツ」の代表理事で、今年5月に40歳の若さで亡くなった西口洋平さんのお別れ会が19日、ウェブ会議システムを使って開かれ、およそ140人が参加した。「ぐっち」の愛称で親しまれた西口さんと関わりの深い6人が手紙を朗読し、画面を通じて西口さんの明るい人柄や楽しかった思い出、失った悲しみを共有し、涙する人もいた。【くらし医療部・御園生枝里】
「ぐっちさんの思い 広げたい」
お別れ会は、手紙の朗読と全員が思い出を語り合う懇親会の2部構成で行われた。手紙を読んだ一人、膵臓(すいぞう)がんで離れた臓器に転移がある「ステージ4」と診断された関直行さんも子どもを持つがん患者だ。初めて訪れたがんのイベントで西口さんが「あいさつとスカートは短い方がいい」とユーモアを交えて話す姿に「会場の雰囲気を一瞬であたため、すごくリラックスした」と話した。
手紙で関さんは、西口さんが治療の副作用でしんどい時や痛み止めを服用していても明るく振る舞っていたこと、亡くなる3日前のオンラインイベントでは体調が優れず、ベッドの上で必死に何かを伝えたそうに視線を向けて「みんなで作ってください」と話したことなどを紹介した。「あなたの言葉や行動で、どれだけの人が救われたことか。これからもぐっちさんの思いをみんなで共有して、形にして広げていきたい」と語った。
キャンサーペアレンツでは、亡くなった後の「あっち支部」があるとされている。「あっち支部があると思うだけでつらい時には心のよりどころになります。ぐっちさん本当にありがとう、またね」と関さんは涙を拭いながら話した。
新しくボランティアス…
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