現代フランス健康事情

いつものバカンスが始まったパリ

竹内真里・パリ在住ライター
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ブティックが立ち並ぶマレ地区の通り。入店の際にはマスクの着用が求められるので、手にブラブラ持って歩く人も=パリ市内で筆者撮影
ブティックが立ち並ぶマレ地区の通り。入店の際にはマスクの着用が求められるので、手にブラブラ持って歩く人も=パリ市内で筆者撮影

 フランス人が待ちわびた夏のバカンスが始まった。海へ、山へ、川へ、豊かな風土と自分の自由時間を満喫しに皆出かける。地方に発着する駅周辺では、スーツケースを引く人、大きなバックパックを背負う人たちが行き交い、タクシーやUber(配車サービス)も大忙しだ。

 例年、パリの夏は、パリジャンが出払って静かになる。特に8月は閉まる店も多く、バスや地下鉄の本数もぐんと減る。地元の人より外国人観光客の方が多くなるのだが、今夏はどうなるだろう。7月なかばも過ぎた現時点では、英語やスペイン語がちらほら聞こえてくる程度だ。

 7月15日には、夏のセールが始まった。その週末、出かけてみると想像以上に人が繰り出していた。グループで待ち合わせをし、連れ立って買い物に行く様子の女性らは、普通に頰が触れ合うビズのあいさつをし、マスクは誰もしていない。最近は、新型コロナウイルスの感染予防に気をつける人とそうでない人の差が明確に表れてきたように思える。小規模な店では入店に際し人数制限を設けていたが、デパートには特に並ぶこともなく入れた。出入り口で手の消毒はする。

 路上では、移動手段に自転車に乗る人が本当に増えた。パリ市が自転車専用道路の設置を進めていたこともあり、しばらく行っていなかった場所が様変わりしていた。気をつけて歩かないと、ひかれそうになる。加えて、電動のキックボードも多い。器用に2人乗りするカップルらもいる。

 少し前まで、市内を走る路線バスは感染予防のため、前からの乗車はできなかった。また、車内には運転手の方に近づかないように紅白テープが張られていたが、それもなくなっていた。「新型コロナ対策のため、この席は空けておいてくださ…

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竹内真里

パリ在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はパリ市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。